"とても物覚えがよくて、字のうまいひと"。
これは、 幼い娘に尋ねられた父親が答える 死んでしまった母親の人物描写としては あまりに温かみに欠ける。 という、 「スプートニクの恋人」の一節を読んで、 いやいや、人の特徴として こういう所を挙げるその感覚、 けっこう好きだけどなあ。 と思った私が、それじゃあ 自分の母親はどんな人か?と 聞かれたらどうするか。 たぶん、 「お弁当を作るのが上手なひと」 が最初に浮かぶでしょう。 お弁当制だった中学校時代。 通学途中にカイベン・・・注:買い弁・・・ する子もいたのですが、 私はお弁当持参でした。 おかずのバラエティも見栄えも味も、 毎日よく工夫してくれて、文句なし! 友達から褒められることだって たまにあったりして。 お母さんの手作り弁当といえば、 まあちょっと誇らしい思ひ出なのです。 そんな私が先日、薦められて 大宮エリーさんのエッセイ 「生きるコント」を読みました。 Condorsファンにもお馴染みの 「サラリーマンNEO」なんかも手掛ける、 映画監督・脚本家・放送作家さんです。 で、『絆弁当』というエピソードに遭遇。 いじめられっこの娘エリーが 学校に居る間、励ますことのできる 唯一の手段としての「応援弁当」に、 エリーの「おかん」は毎日、 工夫を凝らすわけです。 ただし中身は、 一面焼きうどん、一面肉じゃが、 一面お好み焼き、・・・の単品シリーズ。 とっても大胆! 工夫を凝らすのは、外見。弁当箱。 二階建てから保温式までの ラインナップを取りそろえて、 日替わりにしていたようです。 なんて斬新! うちのお弁当も、これには ちょっと負けたかもね、お母さん・・・ と、思わずつぶやいてしまったのでした。 参考 村上春樹(2001)『スプートニクの恋人』 東京:講談社 大宮エリー(2008)『生きるコント』 東京:文藝春秋 ![]() |
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